コード解析

「可愛いアイシャ」「Isn’t She Lovely」 ~ スティーヴィー・ワンダー Stevie Wonder

はじめに

『キー・オブ・ライフ』C面どアタマに収録。
CDしかご存じない方が多いと思いますが、このアルバムの頃はCDしかなんぞ無かったので、レコード、しかも『キー・オブ・ライフ』は2枚組(+ドーナツ盤1枚)の構成だったのでC面というのがあるのだ。

℗ A Motown Records Release; ℗ 1976 UMG Recordings, Inc.

ご存知の通り、長女アイシャさんの誕生を祝って描きおろした愛情溢れる作品。
けっこう知られた曲なのでシングルになったものと思ってましたが、ショートバージョンのリリースは少しあとだったようですね。
少しググってみると、スティーヴィーは過去3人の女性と結婚歴があるようですが、このアイシャさんはそのどなたでもない別のパートナーさんとの間にできた娘さんなんですね。いや、別に。。けっこうかと存じます。

曲はと言いますと、シンプルで親しみやすいメロディに、娘への愛情をストレートに表現した歌詞を乗せて高らかに誇らしく歌い上げていきます。
そしてこの曲の最大の聴きどころは、後半からエンディングまでの3分半以上に及ぶ長い長いハーモニカソロでしょう。ありったけの愛情を込めて演奏しきった感ありありで、じんわり感動させてくれます。
『キー・オブ・ライフ』の中の曲ということで、例によってほぼすべての楽器をスティーヴィーが演奏しています。ごく一部のキーボードパートを弾いてるのはグレッグ・フィリンゲイン名人。

娘さんへの愛情が詰まった名曲、さっそくコードを見ていきましょう♪

コードの話

イントロ

コードの話ではないのですが、いきなり赤ん坊の産声をぶっ込んでくるあたり、斬新といえば斬新で、ま、自由というか、クリエイティビティが柔軟というか。
Aメロのコード進行を踏襲したベースラインにタムが乗っかってます。

Aメロ

繰り返しなので別に2行書かなくてもいいのですが、こんな具合です。

マイナーコードから始まってるとは思えない、なんとも微笑ましいメロディですね。

Bメロ

って言っても、コードを2つ挟んだあと、Aメロのコードが続くことになります。

AM9のところは大抵の楽譜やサイトでAM7になってますが、ここはメロディの音がB(9th)ですし、あとでご紹介するDVD映像内でもご本人が実際AM9で弾いてるのでAM9にしておきます。
それと、G#7♭9のあとにG#7を挟んでる楽譜もあって、たしかに歌詞の「♪Making one・・」の音がG#なので♭9を外したい気持ちは分かるのですが、オリジナルをどう聴いてもコードはG#7♭9のまま変わってないので、ここでは挟まないことにします。

おわりに

広く知られた曲で、非常に多くカバーされてる作品ではありますが、コード的にはあまり突っ込みどころがないので短い記事になってしまいました。
別のエントリでご紹介している『メイキング オブ キー オブ ライフ』というDVDで、「当時は言わなかったけど、実はハーモニカ間違ったんだ」と当時のエンジニアに話し、スタジオで当該箇所を再生して大笑いするシーンがあります。たしかにそのまま録音されてる。
あと冒頭の産声ですが、あれはアイシャさんの声ではなく、知人のお医者さんの協力で録音出来た産声であることも、その映像内でスティーヴィー本人が話しています。間奏で出てくる声はスティーヴィー親子3人の声みたいですけどね。

親が遺してくれたもの、子供に遺してあげたいもの。
誰しも持ってたり考えたりすることがあると思いますけど、アイシャさんはえらいもんをもらっちゃいましたねぇ。

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