コード解析

「サンシャイン」「You Are The Sunshine Of My Life」~ スティーヴィー・ワンダー Stevie Wonder

はじめに

アルバム『Talking Book』の中から、この「You Are The Sunshine Of My Life」でグラミー賞最優秀男性ポップ・ボーカル賞、「Superstition」で最優秀男性R&Bボーカル賞と最優秀R&B楽曲賞を獲っており、まさに天才スティーヴィーが本格的に始動し、認知が拡がり始めたあたりの曲です。

アルバムのリリースは1972年で、その栄えある1曲めを飾るのがこの曲なのですが、シリータ・ライトと離婚したのも1972年です。同じ時期に太陽のような女性が現れたのでしょうかね?ってなくだらん詮索はやめておきましょうね。
演奏はベースとコンガ以外は全部スティーヴィーってことなので、主にエレピとドラムを演奏してるのかなと。のちのアルバム『Original Musiqarium』に収録されたバージョンでは、Bメロからホーン系が加えられています。(動画はホーンありのバージョンです。)全く違和感なく加えられてるのですが、リフレイン部のこのホーンのアレンジがけっこう斬新だと思ってるんですが私だけ?

ってことで、「Superstition」とともに出世作となったこの曲、コードを見ていきましょう♪

コードの話

イントロ

Key:BでB(add9)→F#augを2回繰り返します。F#augのところ、augコードのファニーな響きを丸裸にしたようなアレンジで非常に印象的です。
曲の本編ではF#augなんて1ミリも出て来ないのですが、もはやこの曲のイントロってこれしかないわ、ってくらいマッチしてます。

Aメロ

アルバムの1曲目にもかかわらず、歌い出しがスティーヴィーじゃないって、なかなかトリッキーですよね。ジム・ギルストラップさんという男性、続いてラニ・グローヴスさんという女性が歌い始めます。すいません、両者存じ上げません。
さて、この曲のコード的なトピックスは、この歌い出し4小節に凝縮されてて、必殺のあのコードも登場します。

曲を聴いたらざっくりコード進行がわかる、って人も無邪気にここを聴くと、
Ⅰ→Ⅳ→Ⅲm7→Ⅵ7 なのねー、くらいに思いませんか?私は初めて聴いたときそう思いました。
で、当時耳コピしてどうにもならなくて、市販の楽譜見て愕然としたわけです。なんですかこれは?と。それがこの必殺コードF/G#(Ⅳ#/Ⅵ)との出会いでした。
鍵盤も載せておきますが、コード弾くだけで十分オリジナル伴奏の雰囲気出ますよ。

終盤、半音上げに転調されてKey:Cになるのですが、先走ってここでKey:Cバージョンも書いておきます。
上記Key:Bの記号が見にくくてピンと来なかった方はこちらをどうぞ。

Bメロ

少しややこしいコードが出て来ますが、スティーヴィーがアドリブでテンション音をいじってるレベルです。理論がどうのこうのではなく、指が勝手に動くんでしょうね。記号がややこしいので、鍵盤載せておきます。

それより特筆するとするなら、次のプチ転調でしょうか。こうですかね。

今までKey:Bで来てましたが、Key:BでのⅢ7であるD#7をⅤ7に見立ててKey:A♭に転調します。で、すぐにスティーヴィー得意のⅠm7を放り込んでKey:Bに舞い戻ります。ここも一応鍵盤載せておきます。

で、終盤に半音上げてF.O。
はじめの方に書きましたが、リフレイン部のホーンのアレンジ、なにげにカッコよくないですか?
必殺コード(F/G#もしくはF#/Aのところ)のホーンの始めの音がコードに乗っかってないのだけど、その違和感が気持ちいいっていう。

私なに言ってるかわかりませんかね・・

おわりに

曲を題材にブログを書いてるので、よく知ってる曲でも一応あらためてヘッドホン付けてじっくり聴くわけなんですけど、まぁコンガがポコポコポコポコ鳴り続けてます。スティーヴィーのドラムは奥の方に引っ込んでる。なんでそこまでコンガを前面に出したかったのか。コンガがマイブームだったのか、プレーヤー(ダニエル・ベン・ゼブロンさんという方らしい)がお気に入りだったのか。ヒットした当時はけっこう斬新なアレンジだったんだろうなぁ、と思います。知らんけど。

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