ご存じ、ジョン・レノンがオノ・ヨーコと不倫に走り始めた際に、ポール・マッカートニーがレノンのご子息ジュリアン・レノンのために書いたとされる名曲。なんでもwikipediaによると、ジュリアンの元を訪ねた帰りに車の中で作ったという話らしい。
まじかポール・・。
あんた鼻唄でこの曲作ったんか・・。
で、こんな有名な曲の感想や評論は、ビートルズの論客の方々にお任せしようと思いつつも、私のほうで感想ひとつとコードの話ひとつを書いておこうと思います。
シャウトでもちゃんと音取ってる
感想ひとつっていうのは、ポールのアドリブ力(りょく)の件。
後半、世界一有名なリフレインの中の世界一有名なシャウト「ジュッジューでジューでジュでジュでジュで」ってあるじゃないですか。かっこいいですよね。そりゃみんな真似しますわな。
なんでかっこいいんでしょうか?
これ、ただ単に叫んでる風に聴こえるんですが(もちろんポール自身はただ単に叫んだだけだと思うんですが)、ちゃんとかっこいい音程取ってるんですよね。この部分のコードはF(構成音はファ(F)、ラ(A)、ド(C))なんだけど、ポールが叫んでる最初の音はB♭。A♭とかE♭とかの音なら一定水準のヴォーカリストだと叫ぶことは出来ると思うんですよ。そこを斜め上行ってのB♭の音出してる。平凡なヴォーカリストはシャウトで無意識にかっこいい音程を出すことは出来ません。ただ叫ぶだけ。
じゃあ、なんでこの音がかっこよく聴こえるのか。すいません、それは私には分かりません。(もうちょっとほかのテンション音かなと思ったんですけどB♭だった・・)どなたか説明できる方コメントください、、。
繰り返しますが、ポールはただ単に自分が気持ちいいように叫んだだけだと思いますが、本能的に、直感的にこの音を選ぶことが出来るんだと思うんです。そのあとの各シャウトも好きなように叫んでるんですが、ちゃんとかっこいい音程を踏んでると思う。
ビートルズの没音源、リハ音源がたっぷり収録された「ザ・ビートルズ・アンソロジー」シリーズでもいろんなアドリブが聴けますよ。
名曲のコード振りは大事にいきましょ
で、コードの話です。
申し上げたいのはね、冒頭3小節目の
♪take a sad song~
の song~ とこね。
F→C→C7→F
って思考停止でコード振ってる楽譜、サイトが多すぎ!
こうでしょうよ。
ここ、気持ちいいところでしょ。
ポール得意のシンコペーションっぽいとこでしょ。
少なくともC7のままでないことはピアノでもギターでも弾いたら判るでしょうよ、と。
♪song~の音が「ファ」なんだから。
ビートルズの曲っていうのは、しかもその中でもこんな地球を代表するような名曲っていうのは、これから「ギターでも始めてみようかな」って思った若い人たちが、可能性に満ち溢れたミュージシャンの卵たちが、心動かされて、憧れて、たくさんたくさんコピーに挑むわけですよ。
コードなんて、正解は作った人のみぞ知る、みたいなとこあるから振り間違うこともあると思うけど、やっつけ仕事で見当はずれのコード振るのはやめましょうよ。どうでもいい曲のコード違っててもいいから、人類が生き続けていく限り聴かれ続けるような曲のコードさ、ちゃんと検証しながら振りましょうよ。コピーに挑んだギター小僧が「なんかおかしくね・・?」って思っちゃったら勿体なくてしょうがないよ。